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米FRB、金利据え置き パウエル議長は中銀としての独立性を強調
ダニエル・ケイ・ビジネス記者
アメリカの中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は28日、金利を据え置くことを決定した。ジェローム・パウエル議長は、FRBの独立性の重要性を強調した。
FRBは、アメリカの経済活動が「堅調なペースで拡大している」と述べ、主要貸出金利を3.5%から3.75%の範囲に維持すると発表した。
ドナルド・トランプ大統領はこれまで繰り返し、パウエル氏が十分なスピード感で利下げを行っていないと批判してきた。また、米検察当局は最近、パウエル氏がFRB本部の改修工事に関して行った上院での証言について捜査を開始している。
パウエル氏はこの日、捜査への言及を避けたが、FRBが独立性を失えば「その機関の信頼性を回復することは難しくなる」と述べた。
パウエル氏はこれまで、捜査は利下げペースに対するトランプ氏の怒りに端を発しているとの認識を示し、非難していた。
パウエル氏は記者会見で、金融政策が政治的利益のために利用されないためには、中銀の独立性が重要だと強調した。
「選挙で選ばれた公職者が金融政策の設定を直接、統制しないという制度的枠組みは、人々にとって有益なものだ」
「もしその独立性を失えば、まずは機関の信頼性を回復することが難しくなる」とパウエル氏は述べ、FRBの独立性を維持することに「強くコミットしている」と付け加えた。
パウエル氏は5月に議長職を退任する予定。トランプ氏は、まもなく後任を発表するとみられている。
司法省の捜査については、FRBの元議長らも強く批判し、FRBの自律性を損なおうとする動きだとしている。
金利据え置きの決定については、パウエル氏は、「経済は再び、われわれをその力強さで驚かせている」と述べた。
雇用市場にも安定化の兆しがあり、雇用創出は鈍いものの失業率は低下している。政策担当者らは、昨年の3回の利下げが経済に与える影響を引き続き注視している。
パウエル氏は「雇用とインフレの間には依然としていくらかの緊張があるが、以前より小さくなっている」とし、「経済活動の見通しは、前回会合以降、明らかに改善している」と述べた。
2025年後半には、雇用市場の減速への懸念がインフレ懸念を上回っていた。利下げは、企業の借り入れコストを下げることで雇用市場を刺激することを目的としている。
悪化する雇用市場への不安はここ数週間で和らいでいるが、インフレ率はFRBが目標とする2%を上回ったままだ。
米主要500社の株価指数「S&P500種」は、パウエル氏の発言を前に値動きを繰り返した。一時的には初めて7000ポイントを超えたものの、最終的にはほぼ変わらずに取引を終えた。
今回の理事会では、2人の理事が利下げに賛成した。トランプ政権の経済諮問委員長(休職中)を務めるスティーヴン・マイラン氏と、トランプ氏が指名したクリストファー・ウォーラー氏だ。ウォーラー氏は、パウエル氏の後任候補として名前が挙がっている。
こうした反発がありながらも、FRB理事会は最近の経済指標の強まりを指摘し、政策担当者が金利据え置きに自信を持つ根拠になったとしている。
モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントのチーフ経済ストラテジスト、エレン・ゼントナー氏は「FRBの姿勢は変わっていない」と述べ、「利下げはやがて来るだろうが、投資家は辛抱し続ける必要がある」と語った。
「FRBの据え置き判断は全員を満足させるものではないかもしれないが、年内後半の利下げへの道筋は残されている」とも、同氏は指摘した。
「FRB史上、最も重要な訴訟」
トランプ氏はかねて、米政府の多額の借り入れコストを引き下げ、国民が住宅ローンやその他の融資を受けやすくするため、利下げを行うよう、パウエル氏に公然と促してきた。
パウエル氏はトランプ氏の第1期にFRB議長に指名された。トランプ氏はパウエル氏を「大敗者」や「間抜け」と呼ぶなど、個人的に攻撃している。
トランプ氏は、リサ・クック理事にも狙いを定め、解任を望んでいる。トランプ氏は、クック氏が住宅ローン詐欺に関与したと非難しているが、クック氏はこれを否定している。連邦最高裁判所は現在、クック氏による訴訟を審理している。
保守・リベラル双方の判事らは先週、この件について、FRBの独立性やより広い経済への影響に対する懸念を示した。
パウエル氏は28日に最高裁の審理に出席した際、「FRBの113年の歴史の中で、おそらく最も重要な法的訴訟だ」と述べた。
パウエル氏の任期終了に伴う後任の指名も、FRBにとって新たな不確定要素となっている。
次期議長は必然的に信頼性への懸念に直面することになる。さらに、トランプ氏がFRBへ圧力をかけてきたことで、その人物が独立して行動できるのかという疑問も生じている。
ここ数日は、米投資大手ブラックロック幹部のリック・リーダー氏が有力候補として浮上している。