米国務長官が5年ぶり中国訪問、外相と「率直な」会談行う=米国務省

アンソニー・ザーカー(北京)、アントワネット・ラドフォード(ロンドン)、BBCニュース

米国務省は18日、アントニー・ブリンケン国務長官が中国を訪問し、中国政府関係者と「率直な」会談を行ったと発表した。

米国務省の声明によると、ブリンケン氏は、両国間の外交の必要性と、「連絡手段をオープンに」し続けることについて強調した。

ブリンケン氏は18日から2日間の日程で中国を訪れている。アメリカの外交トップによる訪中は約5年ぶり。

米政府関係者は、北京での会談の主な目的は、極度に緊張している米中関係を安定させることだとしている。

中国の秦剛外相はブリンケン氏に対し、中国政府はアメリカとの安定的で、予測可能かつ建設的な関係の構築に取り組むと伝えたと、中国国営メディアは報じた。米当局によると、秦氏は今回の会談で、ワシントンを訪問することに同意したという。

中国国営メディアは、秦氏は台湾をめぐる問題が中米関係にとって「最も顕著なリスク」になっているとし、この問題は「中国の核心的利益」の一つだと述べたと報じた。

中国は台湾を、いずれは再び中央政府の支配下に置かれる、自国から分離した省とみなしている。一方で台湾は、独自の憲法と民主的に選出された指導陣を持つ独立国家を自認している。

ジョー・バイデン米大統領は昨年、台湾が中国から攻撃を受けた場合には、アメリカが台湾を防衛するだろうと発言。中国政府から非難を浴びた。

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秦氏は18日朝、北京にある釣魚台国賓館でブリンケン氏を出迎えた。この迎賓館は通常、訪中した要人をもてなす際に使用される豪華な施設だ。

2人は、あらかじめ設置されていた両国の国旗の前で握手を交わし、代表団と共に長テーブルに着いて会談を始めた。

このあいさつはビジネスライクなもので、ここ数年の、世界の2超大国間の冷え切った関係を浮き彫りにした。

今回のブリンケン氏の訪中について、アメリカは期待値を下げている。また、両国とも、大きな打開策につながるとは期待していないと明確にしている。

ウクライナ侵攻や、高度なコンピューター技術をめぐる貿易戦争、アメリカでまん延する合成オピオイドのフェンタニル、中国の人権をめぐる行為など、アメリカが想定している議題はすべて議論される予定。

中国政府関係者はブリンケン氏の訪問に冷ややかな反応を示している。アメリカが関係修復に誠実に取り組んでいるのかどうか、疑問視している。

ブリンケン氏が習近平国家主席と面会するのかは明らかになっていない。

「まずはコミュニケーションを」

今回の訪問は、2021年1月にバイデン氏が米大統領に就任して以来、最も高位の米政府高官による訪中。

ブリンケン氏は18日、記者団に対し、「中国との競争が対立に傾かないようにしたいのであれば、まずはコミュニケーションをとることから始めるべきだ。我々がしているように」と語った。

その後、今後数カ月以内に習主席と会談することを望んでいると述べた。

昨年11月にインドネシア・バリ島で行われたバイデン氏と習氏の会談により、新たな冷戦が起きるのではないかとの懸念が一時的に和らいだ。しかし、中国の偵察気球が米上空で確認されて以降、両首脳によるハイレベルなコミュニケーションはほとんど実現していない。