ウクライナ軍、東部バフムートの前線で前進=ウクライナ政府

ウクライナのハンナ・マリャル国防次官は5日、東部バフムート周辺でウクライナ軍の部隊が前進したと明らかにした。次官はバフムートが現在、戦闘の中心地になっているとも話した。これに対してロシア軍は、5日のこの攻勢は押し返したと反論している。どちらの主張についても、客観的な検証はされていない。

マリャル国防次官はソーシャルメディアで、「位置を維持しようとする敵軍の強硬な抵抗に遭いつつ、我が軍の部隊は戦闘中に複数方面に前進した」と書いた。バフムートから数キロに位置する4つの村で、ウクライナの部隊が100メートルから1600メートル前進したという。

ウクライナ政府は、この日の攻撃がかねて注目されてきた反転攻勢の開始かどうかは、言明しなかった。

これに先立ちウクライナ軍の消息筋はBBCに対して、装甲車部隊による小規模な攻勢が始まっていると明らかにしていた。

5日深夜のビデオ演説で、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はウクライナの兵士をたたえ、バフムート方面で「期待している知らせ」をもたらしてくれたと感謝した。

ロシアの雇い兵集団「ワグネル」は、5月末にバフムートを攻略したと主張していた。

このところ軍事アナリストの間では、ウクライナ軍がバフムートを包囲してロシア兵を捕虜にしようとしている可能性を指摘する声が出ていた。

ウクライナによる本格的な反転攻勢の開始がかねて注目されているものの、ウクライナ政府はこれまでに、開始を事前通知したりしないと述べている。

ウクライナ軍の活動は顕著に活発化しており、前線の随所でわずかながら前進しているとウクライナは主張している。バフムート周辺で前進したという5日の発表も、反攻開始の一端なのではないかとみられている。

ロシア国防省は5日、ドネツク州におけるウクライナ軍の新規攻撃を押し返したと述べた。ウクライナ側に大損害を与え、ドイツ製「レオパルト」を含む戦車28両を破壊したという。

ロシアは前日の4日には、ドネツクでウクライナの「大規模攻勢」が始まったものの、失敗に終わったと述べていた。ウクライナ軍は、そのような攻撃があったという情報は得ていないと否定していた。

ドネツクでの戦闘の様子だとロシアが主張する動画には、野原で激しく砲撃される軍用車両が映っていた。ロシアは、その先頭で兵300人を死亡させ、戦車16両を主張した。これについてウクライナ軍報道官はロイター通信に、「そのような情報は得ていないし、偽情報についてコメントもしない」と答えていた。

ウクライナは反転攻勢について数カ月前から準備してきたが、西側諸国から武器を入手し、兵を訓練するための時間を必要としていた。

ロイター通信によると、ウクライナのドミトロ・クレバ外相は反攻に必要な武器はすでに集まったとしつつ、反攻がすでに始まったのかについてはコメントしなかった。

ウクライナ防衛省は4日、「計画は沈黙を好む。開始の発表はしない」とする動画を公表。重装備の兵士たちが、立てた人差し指を口にあてて沈黙を促す姿が映っている。

ゼレンスキー大統領はキーウで5日、イギリスのジェイムズ・クレヴァリー外相と会談した。ゼレンスキー氏によると、リトアニア・ヴィルニウスで7月に予定される北大西洋条約機構(NATO)首脳会談や、ウクライナによる和平案などを協議したという。