ウクライナ軍、ドニプロ川東岸に拠点か 南部のロシア掌握地域

ウクライナ軍が南部ヘルソン州のドニプロ川東岸に拠点を確保したとする報告が出ている。これまでロシアが掌握していた地域であり、事実であれば、ウクライナ軍の今後の攻勢において重要な意味をもちうる。

米シンクタンクの戦争研究所(ISW)が23日に公表した報告によると、ロシアの軍事ブロガーが同日、「(ウクライナ軍の)前進を確認するのに十分な、位置情報を伴う映像と文字報告」を投稿した。

その投稿からは、ウクライナ軍がドニプロ川東岸のオレシキーの北西部で活動していることがうかがえるという。

ISWは、ウクライナ軍の前進の規模や意図を分析できるだけの情報はないとした。

BBCウクライナ語は軍関係者の話として、ヘルソン市付近で「ドニプロを渡る特定の動き」があったと伝えている。

ウクライナ軍はこうした動きが事実か明らかにしていない。ロシアは否定している。

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ロシアは現在、ヘルソン州のドニプロ川の東に位置する地域を全面掌握している。ドニプロ川は川幅が広く、天然の障壁の役割を果たしている。

州都ヘルソンはドニプロ川の西岸にあり、昨年11月にウクライナ軍が解放した

専門家は困難を指摘

もし今回の報告が正しければ、ウクライナがロシア軍を押し返すうえで重要な意味をもちうる。

将来的には、2014年にロシアが併合したクリミア半島に続くロシアの陸路を断つ可能性もある。

クライナ軍はしばらく前から、大規模な反攻に向けて準備中だと表明している。ただ、反攻の時期や場所は明らかにしていない。

ロシアの軍事ブロガー「WarGonzo」は24日、ウクライナ軍がドニプロ川の新旧水路の間にある島を「足場にしようとしている」と伝えた。

ただ、軍事専門家らは、ドニプロ川東岸の橋付近で軍が行動するのは困難を伴うとしている。氾濫の影響を受けやすく、用水路などの障害物が縦横に走っているからだという。

空軍力ではロシアが大きく優位に立っており、そのこともウクライナ軍の前進を複雑にするとみられている。

ロシア側は否定

ウクライナ軍南部司令部のナタリヤ・フメニュク報道官は、ウクライナ軍がドニプロ川東岸に拠点を構えたとの情報を肯定も否定もしなかった。

同報道官はウクライナのテレビ局に、「困難な作業が続いている」と説明。軍事作戦には「情報面での沈黙」が必要であり、「私たちの軍が十分に安全になるまでそれは続く」と強調した。

一方、ロシアによってヘルソン州トップに据えられたウラジミール・サルド氏は23日、ドニプロ川東岸の「オレシキーの付近にもそれ以外の場所にも拠点はなかった」と述べた。

このほか、24日には以下の動きがあった。

  • モスクワのヴヌコヴォ空港が、ドローン(無人機)が確認されたとの報告を受けしばらく閉鎖された。ロシアのメディアが伝えた
  • クリミア・セヴァストポリのロシア当局が、ウクライナ海軍によるドローン攻撃が失敗に終わったと報告した。ウクライナ当局はコメントしていない
  • ウクライナ東部ドネツク州の要所バフムートとマリインカで「極めて激しい戦闘」が続いていると、同国軍が発表した