ワインスティーン被告に2度目の有罪評決、強姦含む性的暴行3件で

米ハリウッドの元大物映画プロデューサーで、すでに強姦や性的暴行の罪で有罪となり服役中のハーヴィー・ワインスティーン被告(70)に対して、米ロサンゼルスの裁判所は19日、7件の罪状のうちレイプを含む3件の性的暴行罪で新たに有罪評決を出した。

ワインスティーン被告による性的暴行をめぐる2カ月にわたる刑事裁判では、どのように同被告が自身の影響力を利用して女性を誘い出し、女性を襲ったのかについて審理された。

被告には最長禁錮24年の量刑が言い渡される可能性がある。

有罪となった3件の性的暴行罪は、匿名を守るために「ジェイン・ドウ1」と呼ばれる被害者に対するもの。

一方で、カリフォルニア州のギャヴィン・ニューサム知事の妻ジェニファー・シーベル・ニューサム氏や、「ジェイン・ドウ2」と呼ばれる女性の告訴については、評決に至らなかった。陪審はこれらの罪状については、審理無効を宣言した。

「ジェイン・ドウ3」と呼ばれる女性が被害届を出した性的暴行について、無罪評決が下された。

ワインスティーン被告をめぐっては2020年2月、ニューヨークの裁判所の陪審が強姦と性的暴行など2件の罪状で有罪評決を出した。同年3月に禁錮23年の実刑判決を受け、服役している。一貫して無罪を主張する被告は上訴している。

これまでに80人以上の女性が、ワインスティーン被告から性被害を受けたと訴えている。

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ワインスティーン被告の様子は

19日に灰色のスーツを着て出廷したワインスティーン被告は、顔色が悪いように見えた。ただ、これまでのように車いすには乗っていなかった。

1件目の罪状で有罪が言い渡されると、被告は下を向いた。法廷書記官が2件目の有罪評決を読み上げた際には、弁護人に目を向けた。陪審員をじっと見つめる場面もあった。

感情的な証言も

この裁判では4週間以上にわたり、数十人の証人の聞き取りが行われた。しばしば感情的な証言もあった。

しかし19日の評決では、2005年から13年にかけての4人の女性による申し立てが焦点となった。

8人の男性と4人の女性からなる陪審団は、3件の強姦罪と4件の性的暴行罪について9日間かけて審議した。

強姦被害を訴えていたロシア生まれのモデルの「ジェーン・ドウ1」は、2013年2月にイタリア映画祭に出席するためロサンゼルスを訪れていた。滞在していたビヴァリーヒルズのホテルの部屋にワインスティーン被告が勝手にやってきて、レイプされたという。これについては被告に有罪評決が出された。

評決後に女性は、「2013年のあの晩、ハーヴィー・ワインスティーンは私の一部を永遠に破壊した。その自分の一部を私は二度と取り戻せない」と話した。

「刑事裁判はむごいものだった。証言台に立った私に、ワインスティーンの弁護士たちは地獄を味わわせた。それでも自分はこれを最後までやり抜かなくてはならないと分かっていたし、私はそうした」

「ワインスティーンが生きている間、二度と牢屋(ろうや)の外に出ないよう願っている」

2005年にホテルの部屋でレイプされたと訴えるシーベル・ニューサム氏は、被害に遭った時、自分はドキュメンタリー映画監督だったと、感情的に証言した。

シーベル・ニューサム氏は評決後に声明を発表し、「この裁判の間、ワインスティーンの弁護団は性差別や女性嫌悪、いじめ戦術を用いて、私たちサバイバー(性暴力を受けながら生き延びた人)を脅し、侮辱し、嘲笑した」と批判。「私たちのこの社会には、取り組まなくてはならないことがある。それをこの裁判はあからさまに浮き彫りにした」と、性暴力対策の強化を呼びかけた。

裁判の中心となった被害を訴えた4人のうち、シーベル・ニューサム氏以外で公に身元を明かしているローレン・ヤング氏は、2013年に脚本についてワインスティーン被告に会ったと証言した。当時はモデルとして活動し、俳優や脚本家志望でもあったという。

ヤング氏は、ワインスティーン被告にホテルのバスルームに閉じ込められ、性的暴行を受けたと訴えた。

ただ、ヤング氏に関する罪状については評決に至らなかった。

マッサージセラピストの「ジェーン・ドウ3」も、2010年にワインスティーン被告にホテルのバスルームに閉じ込められ、性的暴行を受けたと証言した。これについて、ワインスティーン被告は無罪となった。

追加取材:ギャレス・エヴァンス(ワシントン)