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英米両国、ロシア産の原油・天然ガスの輸入を禁止 ウクライナ侵攻で追加制裁
アメリカとイギリスは8日、ロシア産の原油や天然ガスの輸入を禁止し、依存を解消すると発表した。ウクライナ侵攻中のロシアに対する経済制裁を強化するもの。
ジョー・バイデン米大統領は、「ロシア経済の大動脈」を狙った措置だとした。ボリス・ジョンソン英首相も、「ロシアへの圧力を増す」行動だと述べた。
ロシアにとってエネルギー関連の輸出は、重要な収入源となっている。原油の生産量は、サウジアラビアとアメリカに次いで世界3位。
今回の措置はロシア経済への打撃となると同時に、西側のエネルギー消費者にも影響が及ぶとみられている。英米などではガソリン価格が記録的な高さとなっており、さらなる上昇が予想されている。
ロシアはこれまで、ロシア産のエネルギー輸入を禁止すれば、世界経済は「破滅的」な影響を受けると警告。対抗策として、ドイツに天然ガスを送る主要パイプラインを閉鎖する可能性に言及している。
そうした中、ヴェネズエラの石油業界トップは、北米市場で減るロシア分を補うため、原油生産を増やすことを検討するとした。
英米首脳の発表
アメリカでは、ウクライナ侵攻を続けるロシアに対して経済面で追加措置を取るよう、政治家らがバイデン政権に圧力をかけていた。
バイデン大統領は8日、「ロシア産の原油、天然ガス、エネルギーの輸入を全面禁止する」と発表。
「ロシアの原油は今後、アメリカの港で受け入れられない。アメリカ国民は(ロシア大統領のウラジーミル・)プーチンにまた大打撃を与える」と述べた。
同時に、今回の措置は「米国内でも代償を伴う」と認めた。また、同盟国との「緊密な協議」を経た上での決定だと述べた。
一方、ジョンソン英首相はこの日、輸入禁止措置について、ロシアにすぐに打撃を与えるものではないと説明。
その上で、「私たちがすでに目にしているロシアへの圧力を増すものだ。イギリスが主導してきた制裁の経済的影響は、極めて大きいことを忘れてはならない」と強調した。
欧州の対応
アメリカは原油と精製品の輸入の約8%を、イギリスは原油の輸入の約6%を、ロシアに依存している。
英米の依存度が比較的小さい一方で、欧州連合(EU)は、ロシアのエネルギーに大きく頼っている。
そのため、EUは輸入禁止措置を取っていない。
欧州委員会は、代替エネルギーへの転換を図るとともに、クリーンエネルギーの拡大を加速させて不足分を補うと表明した。ヨーロッパは「2030年よりかなり前に」、ロシア産の化石燃料への依存を解消することを目標にしている。
欧州委員会のフランス・ティマーマンス副委員長は、「簡単なことだとは思っていない」、「しかし、簡単ではないとしても、とても困難だとしても、私たちは実行しなくてはならない。究極的に私たちの安全につながることだからだ」と話した。
ロシアは農作物など禁輸へ
ロシアは8日、特定の作物や原料の輸出を禁止する計画を発表した。詳細は未決定。ロシアは穀物や金属の主要輸出国の1つ。
ロシア産エネルギーの輸入禁止は、ロシアへの依存度が低い国にも影響は及びそうだ。すでに卸売価格は高騰しており、さらなる上昇が予想される。アメリカ、EU、イギリスではインフレが急激に進み、家計を圧迫している。
ウクライナを侵攻したロシアに対しては、すでにさまざまな経済制裁が発動されている。中央銀行はロシアの資産を凍結。ロシアのいくつかの銀行は、国際決済システムから切り離された。ドイツはパイプライン「ノルド・ストリーム2」の稼働に向けた動きを停止させた。
そうした状況でも、エネルギー取引はロシアにとって収入源となり続けてきた。