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シンガポール、知能指数が低い死刑囚の刑執行を延期
シンガポールの裁判所は8日、麻薬を密輸入したマレーシア人死刑囚に対する刑の執行を、直前になって延期するよう命じた。この死刑囚については、知的能力が限定的だと、活動家らが主張している。
ナガエンスラン・ダーマリンガム死刑囚は、10日に絞首によって死刑が執行される予定だった。同死刑囚は12年前、シンガポールに少量のヘロインを持ち込もうとした。
マレーシアの当局や人権団体などは、同死刑囚の知能指数(IQ)が低いことから、死刑執行を停止するよう求めていた。
シンガポールの裁判所は、同死刑囚は自身の行動を理解していたとする判決を出している。
しかし上級裁判所は9日、同死刑囚の精神状態は健康ではないとする主張について、弁論を開く予定。
嘆願書に6万人以上署名
ナガエンスラン死刑囚の弁護士M・ラヴィ氏は、同死刑囚は犠牲者であり釈放されるべきだと訴えた。
「彼は利用された。(麻薬密輸入)作戦の犠牲者だ。治療と支援が必要だ」
シンガポール大統領に減刑を求める嘆願書には6万人以上が署名している。嘆願書では、精神的に病んでいる人の処刑は国際人権法で禁じられていると訴えている。
こうした動きは、ソーシャルメディアで勢いを増している。多くの人が怒りや同情を表明しており、死刑に反対しているイギリスの富豪リチャード・ブランソン氏も、同死刑囚の命を救うようシンガポールに求めている。
ブランソン氏はツイッターで、「シンガポールの刑事司法制度におけるナガエンスラン・ダーマリンガムの苦難は、死刑の致命的欠陥を浮き彫りにしている」と主張した。
ナガエンスラン死刑囚は21歳だった2009年、ヘロイン約43グラムを太ももに密着させ、マレーシアからシンガポールに持ち込もうとしたところを発見された。
医療専門家は同死刑囚のIQを、知的障害があることを示すとされる69と判定。しかし裁判では死刑判決を受けた。
シンガポール政府は同死刑囚について、「自らの行動の意味を完全に理解していた。行動に関して善悪の判断力を失ってはいなかった」と説明した。
シンガポールの麻薬対策法は、世界で最も厳しいものの1つ。死刑の是非は、同国ではほとんど議論になっていない。