オーストラリア、国民の自由な入国を可能に 11月から

オーストラリアのスコット・モリソン首相は1日、新型コロナウイルスのワクチン接種を済ませた国民とその親族に対して11月から国境を開放し、自由に入国できるようにすると発表した。

オーストラリアは昨年3月から世界的にも厳格な規制を続けており、同国民の一部と、規制の適用除外の対象者だけが入国できる。ただ、入国者の上限が設定されているため、何万人もが国外で待たされている。

オーストラリアから外国への渡航も、死期が迫った親族との面会など一部の場合を除いて禁止されている。

同国の入国管理政策は、新型ウイルスの感染拡大の抑制につながったと評価されている。一方で、家族を離ればなれにしたとの批判もある。

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モリソン首相は1日、ワクチン接種率が80%を超えた州の住民は、旅行が可能になると記者団に語った。

また、「オーストラリア国民が生活を取り戻すべき時だ」と話した。

外国人の渡航者はすぐに受け入れることにはならないが、政府は受け入れに向けて取り組むとした。

隔離ルールも変更へ

オーストラリアは入国を認めた人に対し、ホテルで14日間の隔離を義務づけている。費用の3000オーストラリアドル(約24万円)は入国者が負担する。

モリソン氏はこの措置について、徐々に解消されると説明した。今後はワクチン接種済みの渡航者に、自宅などでの7日間の隔離を求める。今後、未接種の渡航者の入国も認める場合は、それらの人々に14日間の隔離を義務づけるという。

国境開放に伴い、航空便の需要が高まることが予想される。だが大手航空会社は、急激な業務増加の準備はできていないとしている。

現在、シドニー、メルボルン、キャンベラの各都市で、新型ウイルスの流行を受けたロックダウンが実施されている。

それらの都市圏ではここ数カ月、ワクチン接種が急増している。

シドニーは近く封鎖解除

シドニーがあるニューサウスウェールズ州は数週間以内に、接種率が80%を超える最初の州になる見通し。メルボルンがあるヴィクトリア州も、それに近い接種率となっている。

一方、感染をごくわずかに抑え込んでいるクイーンズランド州や西オーストラリア州などは、さらに高い接種率に到達するまで、州境の閉鎖を続けるとしている。

ワクチン接種率を目安にするのは、ロックダウンを解除して「ウイルスと生きる」とする、オーストラリア政府の方針の一部でもある。

オーストラリア最大の空港があるシドニーは、13週間にわたったロックダウンが今月11日に解除される予定。

BBCのシャイマ・ハリル・オーストラリア特派員は、今回の国境開放について、制限やワクチン接種証明などの点で多くが詳細不明だとし、国境管理当局が頭を痛めることも予想されるとした。