米フェイスブック、300超のアカウント削除 ワクチン偽情報拡散に関与と

フローラ・カーマイケル、チャーリー・ヘインズ、BBCトレンディング

米フェイスブックは10日、新型コロナウイルスワクチンに否定的な虚偽情報を広めるキャンペーンに関与したとして、数百のアカウントを削除したと発表した。このキャンペーンはロシア国内の企業が行ったものだという。

フェイスブックは外国からの干渉に関する同社方針に違反したとして、65のフェイスブック・アカウントと243のインスタグラム・アカウントを削除した。

同社によると、虚偽情報を拡散するアカウントネットワークは、インドやラテンアメリカ、アメリカを標的にしていた。

これらのアカウントは、とりわけ新型ウイルス感染症COVID-19のワクチンに対する国民の信頼を損なうことを目的とした、虚偽の主張を拡散するため、インフルエンサーを募ろうとしていた。

フェイスブックは10日に公表した、「協調的な不正行為」に関する最新の報告書の中で、このネットワークと、ロシアに拠点を置く企業AdNowの子会社で、インフルエンサー・マーケティング企業のFazzeによる虚偽情報拡散活動に関連性があることを突き止めたとした。

BBCトレンディングの調査チームは先月、米ファイザー製ワクチンのリスクに関する虚偽の主張を拡散するよう、Fazzeが5月に複数のインフルエンサーに金銭を支払っていたことを報告していた。

フェイスブックによると、このネットワークが欧米の新型ウイルスワクチンの信頼性を損なおうとしたのは今回で2度目。

同社の調査では、2020年11月にも同じネットワークが英アストラゼネカ製ワクチンについて、チンパンジーから採取した無害なアデノウイルスを使用していることを理由に、同ワクチンは危険だと広めようとしていたことが判明した。

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ワクチンで人が猿に?

虚偽情報を拡散しようとするネットワークに属するアカウントは、映画「猿の惑星」の画像を用いた、ワクチンが人間を猿に変えてしまうような印象を与えるミーム(拡散される画像・動画)を投稿・拡散した。

こうした内容は、インド政府がアストラゼネカ製ワクチンの緊急使用について、承認を検討していた時期に、ヒンディー語でフェイスブックに投稿された。

虚偽情報拡散活動には偽アカウントが使用されている。フェイスブックは、その一部はおそらくバングラデシュやパキスタン国内のアカウントから発信されたものだとしている。

この活動は10以上のプラットフォームにまたがって展開された。掲示板サイト「Reddit」や「Medium」には誤解を招くような投稿があり、オンライン署名サイト「change.org」にはアストラゼネカ製ワクチンの安全性を懸念する嘆願書が掲載された。

大きな反響なく失敗

フェイスブックの報告によると、こうした投稿のリンクを一部のインフルエンサーがインスタグラム上で共有した。これらのインフルエンサーは、そろって同じハッシュタグを使い、アストラゼネカ製ワクチンにチンパンジーのアデノウイルスが使われていることに言及していた。

いずれの活動も、様々な手法が用いられたものの大きな反響は得られず、失敗に終わった。

ソーシャルメディア分析会社Graphikaの調査ディレクター、ジャック・スタッブス氏は、「以前に明るみになった、ソーシャルメディア上のインフルエンサーを募る試みに加えて、今回の作戦では、欧米で製造されたCOVID-19ワクチンについて誤解を招くような情報をオンラインで広めるために、様々な戦術が用いられたようだ」と指摘した。

フェイスブックの報告によると、ヒンディー語のミームにポルトガル語のハッシュタグをつけるなど、ずさんさもみられたという。

ロシアの企業から返答得られず

BBCトレンディングの調査では、Fazzeがロシア企業AdNowと関連があることが示された。BBCはモスクワにあるAdNow本社に繰り返しコメントを求めたが、返答はなかった。しかし、AdNowの英国法人の責任者は、Fazzeは閉鎖されるとBBCに語った。

ドイツの政治家は、欧米のワクチンの信用を傷つけることが、ロシア政府の利益になると非難。これに対し、在英ロシア大使館は、「我々はCOVID-19を世界的脅威として扱っている。したがって、新型ウイルスへの対処法の一つとしてファイザー製ワクチンを人々に接種し、COVID-19に対抗しようとする世界的な取り組みを損なうことに関心はない」と述べた。

BBCは再びFazzeにコメントを求めるため同社アドレスにメールを送信したが、AdNowのドメインからエラーメールが戻ってきた。

フェイスブックは現在、同社プラットフォームをFazzeが利用するのを禁止しているという。