You’re viewing a text-only version of this website that uses less data. View the main version of the website including all images and videos.
米フロイドさん死亡事件の裁判、陪審が評議入り 州兵ら警備強化
米黒人男性ジョージ・フロイドさんに対する殺人罪などで起訴された元警官デレク・ショーヴィン被告(45)の裁判で19日、最終弁論が行われ、陪審は罪の有無を判断する評議に入った。最終弁論では、検察がこの事件は「殺人だ」と主張。弁護側はショーヴィン被告について、警察で受けた訓練に正しく従って行動していたと述べた。
ミネソタ州ミネアポリスの裁判所の周辺には有刺鉄線や高さのある障壁が設置されているほか、武装した州兵が配置されるなど、警備が強化されている。
主任弁護士のエリック・ネルソン氏は、ショーヴィン被告について「理性的な警察官」として行動していたとし、フロイドさんの死を取り巻く状況には合理的な疑いがあると付け加えた。
しかし、スティーヴ・シュライハー検察官は陪審員に対し、昨年5月にショーヴィン被告がフロイドさんの首を9分以上にわたり押さえつけた際の映像について言及。「常識的に考えてください。自分の目を信じてください。あなたが見たものが事実なのです」と訴えた。
「これは取り締まりではなく殺人だ」
陪審員は評決を審議するため退廷した。
白人警官のショーヴィン被告が黒人のフロイドさんを押さえつけ、フロイドさんが「息が出来ない」と叫ぶ動画は、2020年の人種差別に対する世界的抗議に拍車をかけた。
ショーヴィン被告の裁判は、アメリカの人種問題や警察の取り締まりにとって、重要な局面となると受け止められている。
殺人や故殺の罪に問われているショーヴィン被告について、陪審が有罪あるいは無罪と判断するかどうかに関わらず、米国内の各都市は、起こりうる抗議活動に備えている。
ミネソタ州のティム・ウォルツ知事は19日、評決が出されるのを前に、オハイオ州とネブラスカ州に警備の支援を要請した。
ウォルツ州知事は、オハイオ州とネブラスカ州がミネソタ州の州兵や警官を支援してくれたことに感謝し、「彼らは我々のコミュニティの平和を守るために働き続けている」と述べた。
<関連記事>
法廷で何があったのか
3週間にわたって続いてきた裁判は19日、検察側と弁護側がそれぞれ最終弁論を行った。検察側は、陪審が審議に入る前に、被告の主任弁護士ネルソン氏の主張に反論する機会を得た。
陪審が元ミネアポリス警察のショーヴィン被告が有罪か無罪かを判断するには、数日かかる可能性もある。
陪審員らは、医師や実力行使に詳しい専門家、警官、現場に居合わせた人、フロイドさんと親しかった人など45人の証言を考慮しなければならない。
ショーヴィン被告は第2級殺人、第3級殺人、故殺の罪に問われている。被告はすべての罪状を否認している。有罪となった場合の最高刑は禁錮40年(第2級殺人罪の場合)。
被告がいずれかの罪状で有罪となるには、9人の女性と5人の男性でなる陪審が満場一致で有罪評決に至る必要がある。
19日に陪審員が退廷した後、検察側と弁護側は手続き上の問題について議論を続けた。
ピーター・ケイヒル判事は、メディアによる報道や議員の発言を理由に裁判の無効を宣言しようとしたショーヴィン被告の弁護士の最後の試みを退けた。
ネルソン弁護士は、民主党のマキシン・ウォーターズ議員の発言が陪審員に影響を与えた可能性を示唆した。
ウォーターズ議員は17日、黒人男性が警官に撃たれて死亡する事件が起きたミネソタ州ブルックリンセンターで演説。有罪評決が出なければ、「その時は、私たちは路上で抗議するだけでなく、正義のために戦わなければならなくなる」と語った。
また、ブルックリンセンターでの抗議活動を受けて発令された夜間外出禁止令を一蹴し、「私たちはもっと対立姿勢を取らなければならない。私たちが本気だということを分からせるために」と述べた。
ネルソン弁護士は法廷で、ウォーターズ議員の発言は「陪審のプロセスの高潔さに対する脅し」だとした。
「この事件に関連してアメリカの代表者が暴力行為をちらつかせるなんて、あぜんとしている」
これに対しケイヒル判事は、「ウォーターズ議員はこの裁判を覆すようなことを言ったと、あなたに思わせたかもしれない」と述べた。
そして、「選挙で選ばれた議員は、特に法の支配を軽視するようなやり方でこの事件について語るのはやめてもらいたい」、「そうしないのは忌まわしいことだ」とした。
一方で、ウォーターズ議員の「意見は大した問題ではない」として、ネルソン弁護士の裁判の無効申し立ては退けた。
米野党・民主党幹部のナンシー・ペロシ下院議長は先に、ウォーターズ議員の発言について謝罪の必要はないと擁護していた。