ハリス米副大統領を移民対策トップに任命 バイデン大統領

アメリカのジョー・バイデン大統領は24日、メキシコとの国境に入国希望者が押し寄せていることを受け、カマラ・ハリス副大統領を移民管理の責任者に任命した。

バイデン氏は、ハリス氏に「難しい仕事」を与えたと説明。同時に、ハリス氏は「この仕事に最も適任」だと述べた。

今年1月にバイデン政権が発足して以降、中南米から国境付近に移動して来る人が増えている。保護者のいない未成年者も多く、数百人が移民拘束施設に収容されている。

バイデン氏の前任のドナルド・トランプ前大統領は、若い移民らに対する対応を厳しく批判されていた。

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バイデン政権は、保護者のいない子どもたちは入国を認めずに戻すという前政権の方針を転換。入国手続きをし、アメリカ国内で引き取り家庭を探すようにした。

こうした政策に対しては、不法移民の急増を招いているとの批判が出ている。

米国境管理当局は、メキシコとの国境地帯で拘束した人は、2月に10万人を超えたとしている。これは前月比で28%の増加だという。

「簡単ではないが大事な仕事」

バイデン氏はこの日、ハリス氏を移民対策のトップに任命しと発表し、「彼女はこの仕事に最も適任だ。メキシコや北部三角地帯(ホンジュラス、グアテマラ、エルサルヴァドル)と協力し、アメリカの南側国境への大勢の移動を食い止めるため、支援を必要とする諸国と連携していくため、我々の対応の先頭に立ってもらう」

また、ハリス氏がかつてカリフォルニア州司法長官だったことも、経験として役立つと説明。「彼女の発言は、私の発言を代弁するものだ」と付け加えた。

これに対しハリス氏は、「言うまでもないが、簡単な仕事ではない。だが大事な仕事だ」と話した。

国境にやって来る人の多くは、中央アメリカでの貧困や暴力から逃れようとしてアメリカを目指している。

ハリス氏は24日の米CBSのインタビューで、「北部三角地帯で起きていることの(中略)根本原因への対応」が必要だと述べた。

「あの地域の諸国からなぜ大勢がアメリカにやってくるのか。各国の発展を支援することで、大勢がやってくる原因にも取り組む。そのために必要なことをするとい形で対応する」と、副大統領は話した。

BBCのアンソニー・ザーカー北米担当記者は、バイデン政権が発足してからの2カ月、ハリス氏は目立った役割を担っていなかったが、その期間は終わったと説明。

ハリス氏にとっては、将来の大統領としての自分の適性を示す機会だが、失敗すればバイデン政権に打撃を与え、初期の成果を損なう恐れがあると、記者は指摘した。

子どもが身を寄せ合う

アメリカでは今週、国境近くのテキサス州ドナにある移民拘束施設で、子どもたちが体を寄せ合っている写真が浮上した。床に敷かれた薄いマットレスの上で、アルミホイルのブランケットをかけて寝ている子どもたちの写真もあった。

政府が管理するこの大型テントの施設には、1000人近くが収容されているとみられている。

先週末に撮影されたとされるこれらの写真は、新型コロナウイルス対策の距離の確保が十分には実施されていないことも示している。

バイデン政権の発足後、ジャーナリストが拘束施設に入ることは許可されていない。ホワイトハウスは、今後許可するとしている。

バイデン氏は大統領就任後、トランプ氏が進めた国境の壁の建設を中止した。また、トランプ氏による合法的な移民の受け入れ中止について、あらためて受け入れを検討するよう指示した。