新型コロナウイルスの死者、世界で3000人超す 韓国の宗教団体トップは土下座

中国政府は2日、新型コロナウイルスによって新たに42人が死亡したと明らかにした。これによって、世界全体の死者数は3000人を超えた。韓国でのアウトブレイク(大流行)に影響したとされる宗教団体の指導者は同日、記者会見で土下座して謝罪した。

世界の死者3000人のうち2900人以上は中国湖北省で死亡している。その他、イランやイタリアなど10カ国で死者が出ている。

中国以外で最大のホットスポットになった韓国では2日、新たに約600人の感染が確認され、感染者数は4335人、死者は26人に達した。首都ソウルでは朴元淳市長が、市民1000万人に対し、自宅に留まり混雑を避けるよう呼びかけた。

韓国の感染者のうち3081人は南東部・大邱で確認されており、その約7割は、新興宗教団体・新天地イエス教証しの幕屋聖殿(新天地イエス教会)に関連しているという。

この宗教団体の関係者の間でウイルスが広まった後、それぞれが各地を移動したため感染が拡大したとされる。団体が信徒の名前を公表しないことが原因で、接触者の市中感染が追跡しにくくなり、さらに感染が広がる一因になったとみられている。

一方で、団体のキム・シンチャン報道担当はBBCに対し、すでに教団関係者や信徒、関係する建物などについて情報を当局に提供済みだと述べた。キム氏は、自分たちの教団は韓国内で「迫害」されているため、教壇情報を当局に明かせば「信徒の安全を脅かすかもしれないと心配していた」という。

教団指導者イ・マンヒ氏(88)は2日、記者会見で土下座して、「政府は国民に謝罪する」と述べた。感染拡大に関わったのは「意図的ではない」としつつ、許しを求めた。

「できる限り努力したがすべてを防ぐことはできなかった」とイ氏は述べた。イ氏は自分はキリストの再来だと主張しており、信徒はイ氏が14万4000人を天国に連れて行ってくれると信じている。

世界全体で確認された感染者数は9万人近くに上り、最近では発生源となった中国よりも中国以外で感染者が急速に増えている。

致死率は約2%

一方で、世界保健機関(WHO)は1日、ほとんどの感染者は軽症にとどまり、致死率は2%から5%の間で留まるようだと見方を示した。対照的に、インフルエンザの致死率は0.1%だが感染力が高く、年間40万人近くが死亡する。

コロナウイルスでも今回の新型とは異なる型のものに感染すると発症する重症急性呼吸器症候群(SARS)や、中東呼吸器症候群(MERS)の方が、今回の新型ウイルスによって発症する感染症「COVID-19」より致死率は高い。

中国の症例4万4000超を調べた初の大規模な疫学調査では、後期高齢者の致死率は中年の人の10倍だったという。

WHOは、60歳超の高齢者や基礎疾患のある人が新型コロナウイルスに感染すると、特に重症化する傾向があると指摘。各国政府に人工呼吸器の確保を呼びかけ、「重篤なCOVID-19患者の治療には、酸素療法が重要」だと述べた。

WHOは4万4000人の疫学調査をもとに、新型ウイルスの影響について次のように説明している――。

  • 感染者の81%が軽症
  • 14%が重症
  • 5%が重体
  • 1~2%が死亡

<関連記事>

インドネシアでも感染

中国での感染拡大がペースを落とす一方で、それ以外の地域では感染者が急増している。

欧州でホットスポットになったイタリアの政府関係者は1日、48時間で感染者が3倍になったと発表。少なくとも1694人が感染し、34人が死亡したという。ネット通販大手アマゾンは、イタリアの従業員2人が感染し、隔離状態にあると明らかにした。

イギリスでは1日までに36人の感染が確認された。ボリス・ジョンソン英首相は2日、緊急治安特別閣議(コブラ=COBRA)を開く予定。

中東で特に感染者の多いイランでは政府が2日、最高指導者の諮問会議、公益判別会議の会議員が1人死亡したと明らかにした。国内の感染者は1501人、死者は66人に達した一方、291人が全快したという。しかし、イランの医療関係者はBBCペルシャ語に、少なくとも210人が死亡していると話した。

週末には新たにカタール、エクアドル、ルクセンブルク、アイルランド、アイスランドなどで初の感染者が確認され、2日にはインドネシアやポルトガルなどで初めて感染者が確認された。

オーストラリアでは初の人から人への感染が確認され、食料品やトイレットペーパーなど生活必需品の買いだめが起きている。

アメリカでは、東部ニューヨーク州で初の感染者を確認。最近イランで感染した30代女性だという。アメリカでは西岸ワシントン州で2人が死亡している。

中国の状況は

中国政府は2日、湖北省で新たに42人が死亡したと発表した。新しい感染者は202人で、そのうち湖北省以外の人は6人にとどまった。

中国国内ではこれまでに2912人が死亡、8万人以上の感染が確認された。

中国の国家衛生健康委員会の報道官は、次の段階の対策としては、これまで自宅に留まっていた市民が職場に復帰することに伴うリスクにどう対応するかが重要になると話した。