You’re viewing a text-only version of this website that uses less data. View the main version of the website including all images and videos.
中国当局を逆なでする「OK」のジェスチャー
空港で男に連れ去られそうになった少女が、指で「OK」を示すジェスチャーをし、難を逃れる――。そんな動画が中国で拡散され、当局をいら立たせている。
中国系動画サイトTikTok(ティックトック)で広がっている動画では、中国人少女が見知らぬ男に連れ去られそうになる。声を出して助けを求めることができない少女は、左手を目立たないように動かし、「OK」のようなジェスチャーをする。
このジェスチャーに気づいた通行人が近づき、男と言い争いを始める。それにより周囲の人も、少女が無理やり連れ去られそうだと知る。少女は男から逃がれることができ、両親のもとに戻る――という状況が、役者の演技で描かれている。
OK=110=助けて
世界的に通用する「OK」のジェスチェーは、3本の立てた指のうちの1本をどちらかとくっつけると、「110」のようにも見える。
「110」は中国で、警察に緊急通報するときの電話番号だ。
そのためこの動画は、トラブルに巻き込まれたとき、救助を求めるメッセージをこっそり発信する方法を紹介するものとして受け止められている。
動画の最後で登場する男性は、「強制連行や誘拐、身の危険を感じたとき」に使えるように、多くの人に「このジェスチャーを広める」よう呼びかけている。
当局は「まったく関係ない」
中国当局が不快感を示しているのは、この動画が公的機関によって製作されたように見えるからだ。
ソーシャルメディアでこれを目にした多くの人が、警察が関わっていると思ったようだ。
だが実際は、出所不明だ。
中国の当局は、「このようなジェスチャーは、緊急事態を知らせるものとしては無意味だ」と、国営メディアを通じて発信。助けを求めていると理解してもらえず、逆効果になり得ると警告している。
また、動画は誤解を招いていると批判した上で、警察はまったく関与していないと強調。「公衆の場でのこうした発信方法について、紹介も宣伝もしたことはない」と述べた。
その上で、助けが必要なときや、誰かが助けを必要としているとわかった場合は、従来通り警察に電話をかけるよう訴えている。
賛否の声が噴出
当局が動画との関わりを打ち消す中、インターネット上では、このジェスチェーの有効性をめぐって議論が沸き起こっている。
中国版ツイッターの新浪微博(SINA Weibo)では、「助けてと叫ぶほうが、ジェスチャーより実用的だ」との声や、「誤解を与え」不要な介入を招くとの意見が出ている。
一方で、当局による厳しい規制が存在し、公の場での自由な発言が難しい中国の事情を背景に、誰かに何かを強要されたときに、こうしたささやかに思える行動で人々の注意を引くことは大事だと称える声も上がっている。
ある新浪微博ユーザーは、「実は中国では、こうしたジェスチャーで助けを呼べるかもしれない」と発信。
「みんなが同意すれば、これは使える。可能だ」、「共通理解のもとで団結できれば」という書き込みも見られる。
香港で広がるジェスチャー
手を使ったジェスチャーは、香港で続く反政府デモの参加者たちの間で有効性を発揮している。
マスクやヘルメットなどが必要な場合に、どのようなサインを送ればいいかを示すイラストが、ツイッターなどで拡散されている。
香港の状況をきっかけに、中国本土でも手を使ったジェスチャーが大きな注目と支持を集めた。それが、中国当局を落ち着かなくしている一因となっている。