イランでの長期拘束から帰国した女性、英政府の対応を批判 「6年で5人も外相が変わった」

動画説明, イランでの長期拘束から帰国した女性、英政府の対応を批判 「6年で5人も外相が変わった」

スパイ容疑などでイランで長年拘束され、6年ぶりにイギリスに帰還したナザニン・ザガリ=ラトクリフ氏(43)が、帰国後初めて記者会見を行った。

ザガリ=ラトクリフ氏は、夫と娘に再会できたことに感無量だと述べ、その再会は「かけがえのない経験」だと述べた。

一方で、イギリス政府の対応を批判し、「今起こっていることは、6年前に起こるべきだった」と語った。

イギリスとイランの二重国籍を持ち、トムソン・ロイター財団のプロジェクト主任だったザガリ=ラトクリフ氏は2016年、イラン政府を転覆させようとした容疑がかけられ、裁判で禁錮5年の刑が言い渡された。昨年4月には、反政府プロパガンダを流した罪で、さらに1年の禁錮刑と国外への渡航禁止を言い渡された。

ザガリ=ラトクリフ氏は3月16日に釈放され、同じくスパイ容疑で禁錮10年の有罪判決を受けていたアヌーシェ・アシューリ氏(67)と共に、17日未明にオックスフォードシャーのブライズ・ノートン王立空軍基地に到着した。

2人は一貫して容疑を否定していた。

イギリス政府は先に、イラン政府に対する4億ポンド(約620億円)近い債務を返済したばかり。しかし両政府は、この返済と2人の解放は結びつけるべきではないとしている。

ザガリ=ラトクリフ氏は、自分たちの釈放に尽力したすべての人に感謝すると述べ、「素晴らしい最高の」夫、リチャード・ラトクリフ氏に感謝の言葉を述べた。また、「ママが帰るまでずっと我慢してくれた」と、7歳の娘ガブリエラちゃんにも感謝した。

しかし、リチャード氏がリズ・トラス英外相に功績があると述べると、それを制止。「私はこの6年の間に外相が5人変わるのを見た。誰かが帰ってくるのに、何人の外務大臣が必要なのか?」と、政府の対応を批判した。

「私たちはみな(中略)私がどうやって帰ってきたかを知っている。これはちょうど6年前に起こるべきことだった」

ザガリ=ラトクリフ氏はさらに、イランでなお拘束されている他の二重国籍者の苦境にも目を向けるよう促した。

実業家兼野生動物保護活動家のモラド・タバズ氏(66)は、同時期にイランの刑務所から釈放されたものの、出国は許されていない。

イランとイギリス、アメリカの国籍を持つタバズ氏は、環境・科学プロジェクトの名目で、イランの戦略的地域で秘密情報を収集していたとして有罪となった。タバズ氏は容疑を否定している。

記者会見に同席したタバズ氏の娘のロクサーヌ氏は、トラス外相から、釈放交渉にはタバズ氏も含まれていると言われていたと説明。ボリス・ジョンソン首相とトラス外相に対し、タバズ氏の帰国に尽力するよう求めた。

ザガリ=ラトクリフ氏は、「イランで不当に拘束されている私たち全員が家族と再会するまで、自由という言葉の意味が完全になることはないと思う」と述べた。