ロシアがウクライナ首都の橋を連日攻撃、独首相の電撃訪問の最中も

画像提供, Telegram
エラ・キプリング、ヤロスラフ・ルキフ
ウクライナの首都キーウで、主要な橋が4日連続でロシアのドローン攻撃を受けている。ロシア政府は、キーウの重要インフラへの攻撃を激化させている。こうした中、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は4日、ロシアによる全面侵攻が続くウクライナへの支持を示すため、キーウを電撃訪問した。
4日朝にはピヴニチニー橋(北橋)が2日連続で攻撃され、2人が負傷した。ピヴデンニー橋(南橋)も1日から複数回攻撃を受けた。
ロシア軍は、キーウや、ウクライナのほかの地域への攻撃を強化すると表明している。同軍は先に、ウクライナ部隊の移送に使われている二つの橋を攻撃したと発表していた。

画像提供, AFP via Getty Images
4日の攻撃を捉えた映像をBBCが検証したところ、複数の車両が走行するピヴニチニー橋にドローンが衝突し、爆発して火の玉が上がる様子が映っているのを確認した。橋の上空に黒煙が立ち上る様子も、確認できる。
ソーシャルメディア上には、橋の車道部分に穴が開いた様子を捉えた別の映像や画像も投稿されている。

キーウのヴィタリ・クリチコ市長は、今回のロシアの攻撃で2人が負傷したと発表した。市長はこれに先立ち、ピヴニチニー橋の車道部分が攻撃されたと明らかにしていた。
キーウ市内を縦断して北から南へ流れるドニプロ川は川幅の広い大河で、それにかかる八つの橋は、市の西側(右岸)と東側(左岸)を結んでいる。推定約300万人の市民の多くは、市内を移動する際に地下鉄や鉄道に頼っている。
1日あたり約50台の車両が、これらの橋を通行している。
被害を受けた二つの橋は、どちらも崩落はしていない。ただ、攻撃による損傷や、車両や公共交通機関の通行規制により、首都の一部では時折、交通渋滞が発生している。
キーウ住民のロマンさんは4日、「左岸から右岸へ移動してまた戻るのは、地獄のように大変だ」とBBCに話した。
特に平日は、大勢の通勤者がドニプロ川を渡る。修復チームは被害箇所の復旧を進めている。当局はキーウ市内の東西移動を維持するため、仮設の浮橋やフェリーの運航、さらには川底トンネルの建設も計画しているという。
クリチコ市長は、ロシアの別のドローン攻撃で暖房用の配管が損傷したとも明らかにした。この影響で、北東部デスニャンスキー地区で温水の供給が一時的に停止する見込みだという。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は3日朝、北東部スーミ州にある倉庫がロシアのドローン攻撃を受け、1人が死亡したと明らかにした。
また、中部の都市ドニプロでは通信施設が攻撃され、6人が負傷したと、ゼレンスキー氏は述べた。
ウクライナ空軍によると、ロシア軍は一晩でドローン135機を発射。このうち52機はジェットエンジンを搭載していた。ウクライナ軍は125の飛翔体を撃墜したという。
ドイツ首相が電撃訪問

画像提供, Reuters
救急当局が各地で対応に追われる中、ドイツのメルツ首相はキーウでゼレンスキー氏と会談した。両首脳は、戦死したウクライナ兵たちに花輪を供えた。
メルツ氏は、「ウクライナは決定的に重要な数週間を迎えている。だからこそ私は今日、『私たちを頼りにしていい』というメッセージを携えてキーウを訪問した」とソーシャルメディアに投稿し、ウクライナへの支援を改めて表明した。
さらに、「ドイツの安全保障も、この戦争の行方に左右される。だからこそ、我々は自国の利益のためにも支援している」と述べた。
ゼレンスキー氏はその後、13億ユーロ(約2300億円)超の新たな支援パッケージでドイツと合意したと明らかにした。
「これには今すぐ(私たちを)助けてくれる兵器に加え、冬の到来を前にエネルギー部門を支援することも含まれる」
メルツ氏は、先月末のロシア軍によるドローン攻撃で大きな被害を受けたウクライナ国立科学アカデミーの建物を訪れた。その最中にも、キーウ市内では新たな空襲警報のサイレンが鳴り響いた。同アカデミーへの攻撃では2人が死亡した。

画像提供, Reuters
メルツ氏が昨年5月に独首相に就任して以降、ドイツはウクライナにとって、単独では最大の支援国となっている。
メルツ氏は、ウクライナには「今後数週間、我々のあらゆる支援が必要だ」と述べた。そして、「ロシアを阻止できなければ、その戦争機構はいずれ我々に向けられる」と付け加えた。
ゼレンスキー氏は、ウクライナとドイツの間で「重要な合意」が結ばれるとの見通しを示した。
ゼレンスキー氏は西側の同盟国に対し、ウクライナへの軍事支援を強化するよう繰り返し訴えている。その中には、ロシアの新型ジェット推進ドローンや弾道ミサイルを撃墜できる高性能迎撃システムの供与も含まれる。
ロシアはウクライナ攻撃を強化すると
ロシア国防省は4日、ウクライナ各地への攻撃を強化すると発表した。ゼレンスキー氏が、3日公開のロイター通信のインタビューで、ロシアの製油所への攻撃を強化すると表明したことへの対抗措置だとしている。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はこれに先立ち、ウクライナがロシアのエネルギー施設を攻撃していることに対して報復していると述べていた。しかし、こうした攻撃を最初に始めたのはロシア側だ。
プーチン氏は2022年2月、ウクライナへの全面侵攻を開始した。ロシアは現在、ウクライナ領土の約20%を支配下に置いている。
ロシア外務省は3日、外交官を含む外国人にキーウから退避するよう改めて警告した。
この警告を受け、欧州連合(EU)のカタリナ・マテルノヴァ駐ウクライナ大使は4日、「EU代表部はとどまる。私たちを脅しても、欧州のウクライナ支援が止まることはない。むしろ、なぜ支援が重要なのかを再認識させるだけだ!」とソーシャルメディアに投稿した。
ドイツのボリス・ルーゲ駐ウクライナ大使は、マテルノヴァ氏の投稿に「アーメン。我々はとどまる」と反応した。

画像提供, Reuters
ピヴデンニー橋への相次ぐ攻撃を受け、キーウの防衛評議会は2日に緊急会合を開いた。
クリチコ市長は、ロシアがキーウの「重要インフラ、物流網、住宅」などの主要施設を激しく攻撃し、街は今「極めて深刻な状況」にあると警告した。
複数の専門家は、ロシアのドローン攻撃で橋が崩落する可能性は低いとみている。しかし、繰り返し攻撃を受ければ、橋の通行停止を余儀なくされ、橋の構造が弱くなり使用できなくなる恐れがある。















