パキスタン当局、大型ネコ科動物の違法飼育を取り締まり 逃げたライオンが市民襲撃で
パキスタンのパンジャブ州でこのほど、大型ネコ科動物の違法なペット飼育に対する取り締まり強化が始まった。
パキスタンでは何十年もの間、ライオンやトラ、ピューマ、チーター、ジャガーといった動物は、権力や地位、さらには政治的忠誠心の象徴とされてきた。たとえばトラは、与党「イスラム教徒連盟シャリフ派」(PML-N)のシンボルである。
近年では、TikTokやインスタグラムの普及の影響で、これらの動物の飼育が急増しており、ライオンが結婚式に連れて来られることさえある。
そうしたなか、同州ラホール市で最近、ペットのライオンが逃げ出し、通りを歩いていた女性とその子ども2人を襲う事件が発生。これを受け、政府が取り締まりの強化に乗り出した。
新たに導入された規則では、所有者は動物1頭につき一度限りの登録料として5万パキスタンルピー(約2万6000円)を支払う必要があり、飼育施設では最大で2種、合計10頭までの大型ネコ科動物しか飼育できないと定められている。施設は一般公開も義務付けられている。
新法に違反した場合、最大で20万パキスタンルピーの罰金が科され、悪質な違反者には最長7年の実刑が科される可能性がある。
BBCのアザデフ・モシリ・パキスタン特派員が同行した、当局による施設の捜索では、毛が泥で汚れたライオンの子ども5頭が、おりの中を歩き回っていた。
当局は、所有者がライオンの親をどこかに移して隠した可能性があると疑っている。
保護された子ライオンたちは現在、ラホールの公営動物園に移送され、健康診断のため隔離されている。
しかし、長年にわたり大型ネコ科動物が売買されてきた同国において、当局は今回の摘発が氷山の一角に過ぎないと懸念している。パンジャブ州だけでも、申告されていない大型ネコ科動物が数百頭、場合によっては数千頭いるとみられている。
同州の野生動物・公園局のムビーン・エラヒ局長はBBCに対し、「この作業には少なくとも6カ月はかかる」と述べた。パンジャブ州にいるライオンのうち、30〜40%は自主的に申告されていないと見込んでいるという。
さらに、別の問題もある。ムビーン氏によれば、パキスタンでは近親交配が一般的になっており、一部の大型ネコ科動物は安楽死させなければならない可能性があるという。ムビーン氏は、「健康上の問題が非常に多い。政策についてはまだ検討中だ」と付け加えた。






