国連、アフガニスタン人女性職員の就労禁止でタリバンを非難 「国際人権法違反」

国連は5日、アフガニスタンで実権を握る武装勢力タリバンが、現地の国連機関で同国の女性が働くのを禁止する命令を出したと発表した。アントニオ・グテーレス事務総長は、差別的かつ国際人権法に違反する命令だとして、直ちに撤回するよう求めた。

グテーレス事務総長は、女性職員はアフガニスタンにおける国連の活動にとって「不可欠」な存在だと述べた。

タリバンは2021年に政権を奪取して以降、女性の自由をますます制限している。

タリバン政権からは、アフガニスタン人女性の国連職員の就労が禁止された理由について、コメントは出ていない。外国籍の女性職員にはこの命令は適用されない。

国連は深刻な経済・人道危機に揺れるアフガニスタンで、2300万人に人道支援を届ける活動をしている。女性職員はそうした活動において――とりわけ支援を必要としている女性を特定するうえで――重要な役割を担っている。

「女性職員は、命を救うための援助の提供を含む国連の活動にとって、不可欠な存在だ」と、グテーレス氏は声明で述べた。

「今回の決定の執行は、こうした援助を必要としている数百万人のアフガニスタン国民を傷つけることになる」

そしてタリバンに対し、「女性や少女の労働、教育、移動の自由という権利を制限する、すべての措置を撤回する」よう求めた。

試される国連とタリバンの関係

国連は先に、アフガニスタンにいる男性と女性の職員に対し、タリバンに説明を求めている間は出勤しないよう伝えている。東部ナンガルハル州では4日、アフガニスタン人女性が国連施設に出勤するのを止められていた。

タリバンは昨年12月、女性が非政府組織(NGO)で働くことを禁止する命令を出した。医療関係者は除外され、国連職員も禁止の対象とはならなかった。

国連の女性職員に就労禁止命令が出されたことで、アフガニスタンの医療プログラムにどのような影響が出るかは、いまのところ不透明だ。

今回の禁止命令は、アフガニスタンにおける国連活動の先行きと、国連と世界中で正統な政府として承認されていないタリバンとの関係を試す、非常に重要な試金石ととらえられている。

タリバンが復権して以降、10代の少女や女性は小学校や大学、専門学校などの教育機関から締め出されている。女性は目元しか見えないように衣服で肌を覆うよう求められ、72キロ以上の距離を移動する場合は親族の男性の同伴が必要とされている。

昨年11月には、公園やジム、プールへの立ち入りも禁止されるなど、最もシンプルな自由さえも奪われた。

タリバンは女性教育を擁護する人々も取り締まっている。先月には、アフガニスタンの著名な女性教育活動家マティウラ・ウェサ氏が逮捕された。逮捕の理由はわかっていない。

2月には、タリバン政府が女性の教育を禁止したことを声高に批判していた大学教授イスマイル・マシャル氏も、カブール市内で無料の本を配布していたところを逮捕された。