イランによるロシアへの「神風ドローン」提供は国連決議違反=米国務省

アメリカ国務省は17日、イランがいわゆる「神風ドローン」をロシアに提供していることが国連決議に違反しているという見解で西側同盟国と一致したと発表した。

ウクライナの首都キーウではこの日、神風ドローンによる攻撃があった。ロシア軍が飛ばしたものだが、イラン製だとみられている。

米国務省は、このドローンがイランの核問題に関する国連安全保障理事会決議第2231号に違反しているとするフランスとイギリスの分析に、アメリカも同意するとした。この決議ではイランに対し、特定の軍事技術の移動を禁じている。

ウクライナは、このドローンをイラン製の「シャヘド136」だと特定している。攻撃後に帰還する他のドローンとは異なり、目標物に飛び込んで爆発することから神風ドローンと呼ばれている。

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米国務省のヴェダント・パテル報道官は、「イランからロシアに輸送され、ロシアによってウクライナで使用されたこれらのドローンが(国連安保理決議)第2231号の下でなお禁止されているというのが我々の見解だ」と述べた。

イランはロシアへのドローン提供を否定しているが、パテル報道官は、「ロシアがイランからドローンを受け取ったことや、それがさまざまなタイプのイラン製ドローンを数百台輸入するというロシアの計画の一部だということを(アメリカは)公に暴露している」と指摘。また、ロシアがイラン製ドローンをウクライナで使用した「証拠が大量にある」と述べた。

ウクライナでは17日、首都のあるキーウ州、中部ドニプロペトロウシク州、北部スーミ州の重要インフラが攻撃された。同国政府によると、多くの町や村で停電が起きた。

また、少なくともキーウ州で4人、スーミ州で4人が亡くなっている。アメリカは、「ロシアの戦争犯罪の責任を追及する」としている。

ウクライナ内相の顧問を務めるアントン・ゲラシェンコ氏は、ツイッターに動画を投稿。国家警察がイラン製ドローンを撃ち落としている場面だとした。

米国務省のパテル報道官は、ロシアとイランの同盟関係の深化は、全世界が脅威と捉えるべきだと指摘。両国はこれまでにも、シリア内戦でバッシャール・アサド大統領に重要な軍事的支援を行ってきた。

パテル氏はまた、「イランとビジネスをしている人、ドローンや弾道ミサイルの開発や、イランからロシアへの武器流通に関連する可能性がある人は、非常に注意深く、デューデリジェンス(適正評価)を行う必要ある。アメリカは制裁をためらわないだろう」と警告した。

ロシアは先週にも、キーウをはじめとするウクライナの多くの都市にミサイル攻撃を行っており、その多くがエネルギーインフラを狙ったものだった。西側のアナリストらは、ロシアがミサイル不足に陥る中で、イラン製の武器が長距離攻撃の継続を助けているとみている。

欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル外務・安全保障政策上級代表は、EUもイラン製ドローンの「証拠を集め」を行っており、行動に出る準備ができていると発言。対イラン制裁の強化を示唆した。

「神風ドローン」とは

  • イランが供給する「シャヘド136」を含む無人航空機(UAV)
  • 標的の上をホバリングすることができる
  • 爆発物を積んでいる。衝撃で爆発し、ドローンも破壊する
  • 波状的に出撃するため、レーダーで見つけづらい
  • アメリカによると、イランは数百機をロシアに送る計画。1機当たりの価格はわずか2万ドル(約300万円)という
  • ウクライナも、アメリカ製「スイッチブレード」などの神風ドローンを使用している