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パリ連続襲撃事件、実行犯に終身刑 歴史的な裁判に幕
フランスの裁判所は29日、2015年11月にパリで発生した連続襲撃事件の実行犯で唯一生き残ったサラ・アブデスラム被告に対し、同国の最高刑である終身刑を言い渡した。
2015年11月13日に発生したパリ連続襲撃事件は、フランスにとって第2次世界大戦以降で最悪の事件と言われている。市内のコンサート会場やレストランなどで銃撃や爆弾攻撃が相次ぎ、130人が死亡。武装組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出した。
アブデスラム被告は今回、テロリズムと殺人の罪で有罪判決を受けた。
裁判所はその他の被告19人にも有罪判決を言い渡したが、うち6人はすでに死亡しているとみられている。
この事件の裁判は昨年9月に始まった。4カ月にわたる審理では、被害者やジャーナリスト、犠牲者の遺族などが、この裁判のために特別に作られた法廷で証言。事件の全貌解明を目指した。
アブデスラム被告は、裁判開始当初は反抗的な態度を見せ、自身をISの「兵士」だと称した。
しかしその後、被害者に謝罪。最後の陳述では自分は「人殺しなどではない」、殺人罪での有罪判決は「不当」だと述べた。
また、事件当夜に着ていた自爆ベルトを発動させないと決め、パリ郊外に捨てたと証言した。
しかし判事らは、この自爆ベルトが欠陥品だったという証拠を採用し、最後に心変わりしたというアブデスラム被告の主張は信用できないと述べた。
フランスの終身刑は、受刑から30年後にわずかな仮釈放の機会が与えられる。同国で最も重い刑罰で、言い渡されるのはまれだという。
「まだトラウマや悪夢を抱えている」
事件の生存者の1人であるエディス・スーラさんはBBCの取材に対し、裁判によって痛みが癒えることはなく、不満が残ったと語った。
「私たちはまだけがやトラウマ、悪夢や傷を抱えています」、「私たちはそれを抱えてなお生き続けなければいけません」と、スーラさんは話した。
事件で亡くなったユーゴ・サラドさんの父親、ステファンさんは、長い審理が悲劇を消化する助けになったと述べた。
「ひどい9カ月でした。待たなければならなかったし、事件の詳細へ至るために、あの悲劇に立ち戻らなくてはならなかった」
しかしステファンさんは、この経験によって息子なしで生きるのが楽になるだろうと付け加えた。
生存者のアルトゥール・デヌーヴォーさんは、判決が出た今、何を考えればいいのかよく分からないと話した。
「裁判が終わったことがうれしい一方、この先どうなっていくのかという疑問もたくさんあれば、素晴らしい裁判に関われたことを誇りに思う気持ちもあります」
「判決の内容は、裁判にかかった時間に価するものでした」
その他の判決
裁判所は今回、アブデスラム被告を含めた20人の被告全員に有罪判決を言い渡した。量刑は、アブデスラム被告の終身刑から禁錮2年まで多岐にわたる。主な判決は以下の通り。
- モハメド・アブリニ被告(37):一部の実行犯をパリへと車で移動させたことを認めている。終身刑(受刑22年後から仮釈放の可能性)が言い渡された
- モハメド・バッカリ被告:モロッコ系ベルギー人の同被告は、「攻撃の後方支援で主要な役割」を担ったとして、禁錮30年が言い渡された。ブリュッセルで実行犯の隠れ家を用意した罪に問われていた
- スウェーデン国籍のオサマ・クライエム被告とチュニジア国籍のソフィエン・アヤリ被告も、同じ襲撃計画の一環としてアムステルダム空港での攻撃を計画していたとして、共に禁錮30年の有罪判決となった
- ムハンマド・ウスマン被告とアデル・ハッダディ被告には、禁錮18年(受刑12年後から仮釈放の可能性)が言い渡された
- その他の6人の被告は襲撃時に死亡したとみられており、欠席裁判となった