中国のゾウの群れ、生息地近くに戻る 避難者は延べ15万人

中国南部・雲南省で北上を続けていた野生のゾウの群れが、生息地近くに戻った。ゾウの大移動で避難を余儀なくされた人は15万人以上に上ると、中国当局は発表した。

警官2万5000人以上が車両やドローンを使い、ゾウの群れを監視してきたと、国営新華社通信は伝えている。

ゾウの群れは約1年5カ月前に雲南省シーサンパンナ(西双版納)タイ族自治州の自然保護区を離れた。

それ以来、約500キロにわたり北上を続け、国際的な注目を集めてきた。ゾウは田畑や町、都市を歩き回り、数百万ドル相当の作物を食べ、建物を破壊するなどした。

群れが集落に近づくと、作物や家を守ろうとしていた地元住民は一時的に避難を余儀なくされた。

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群れは6月までに省都・昆明市郊外にまで到達した。

当局はゾウを自然保護区へ戻そうとしたが、最初はうまくいかなかった。最終的に群れは帰路についた。

ゾウを監視するチームの責任者は、9日の記者会見で、ゾウの群れは沅江を渡り、南に向かって進んでいると述べた。ゾウを正しい道へ誘導するため電気柵やえさなどが使われた。

群れは8日夜までに保護区から約200キロ離れた場所まで到達したと、AP通信は伝えた。

専門家は、ゾウがなぜ生息地を離れたのかは分かっていないとしている。

経験の浅いリーダーが群れを道に迷わせたのではないかとの見方や、新しい生息地を探している可能性を指摘する声があがっている。

アジアゾウは絶滅の危機にひんしている。中国では主に雲南省南部にわずか300頭ほどが生息するだけだ。