【ウィンブルドン】 ジョコヴィッチ優勝、4大大会で20回目 東京五輪の出場は「五分五分」

テニスのウィンブルドンの男子シングルス決勝が11日あり、第1シードのノヴァク・ジョコヴィッチ(セルビア、34)が第7シードのマッテオ・ベレッティーニ(イタリア、25)を6-7(4-7)、6-4、6-4、6-3で破り、男子最多タイ記録となる20個目の4大大会(グランドスラム)タイトルを獲得した。試合後、東京オリンピックへの出場は「五分五分だ」と述べた。

ジョコヴィッチはこれで、今年これまでに開催された4大大会の3つ(全豪、全仏、ウィンブルドン)をすべて制覇した。4大大会がオープン化されて以降では、1969年のロッド・レイヴァーさん(オーストラリア)以来となる。

東京オリンピック(今月23日開幕)と、全米(8月30日開幕予定)で優勝すると、同じ年のうちに4大大会すべてと五輪を制覇する「ゴールデンスラム」を達成する。この偉業を成し遂げたのは女子のシュテフィ・グラフさん(ドイツ、1988年に達成)だけで、男子ではまだいない。

ただ、ジョコヴィッチはこの日の試合後、東京オリンピックの出場について「考える必要がある」とし、可能性は「五分五分だ」と述べた。

無観客に「がっかりした」

ジョコヴィッチはこれまで、東京オリンピックには出場すると表明していた。しかし、期間中は東京都で緊急事態宣言が出されることから、組織委員会などが無観客を決定。それを受け、ジョコヴィッチは出場の意向を考え直すようになったという。

「(無観客の決定を)聞いて本当にがっかりした」とジョコヴィッチは言い、こう続けた。

「選手村でも多くの制限があると聞いている。他の選手たちの競技を生で見られないかもしれないらしい」

「(ラケットにガットを張る)ストリンガーは私のチームの大事な1人だが、連れて行けない。チームの同行人数が限定されている」

「現時点では少し揺れている。ここ数日でいろいろ耳にしており、(出場は)五分五分といったところだ」

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第1セットを取られたが

この日の決勝は、収容人数上限の1万5000人まで観客が入ったセンターコートで開かれた。観客らは試合中、時に情熱的に、大きな声援を送った。

第1セットは、ジョコヴィッチが5-2までリードしたが、ベレッティーニにセットポイントをしのがれ、タイブレークの末に落とした。

しかし第2、第3セットは、ジョコヴィッチが早い段階でブレークして優位に立つと、そのまま押し切って、セットカウント2-1で逆転。

第4セットは3-3まで競った展開となったが、ジョコヴィッチは第7ゲームで見事なフォアハンドのクロスを決め、ブレークのチャンスを握った。ベレッティーニは次のポイントをダブルフォルトしてこのゲームを落とし、初のリードを許した。

ジョコヴィッチは5-3とリードして迎えた第9ゲームで、マッチポイントを3つ握った。ベレッティーニは最初の2つを、コントロールされたボレーと、時速約160キロのフォアハンドのストレートでしのいだ。しかし次のマッチポイントでは、バックハンドのスライスをネットにかけた。

その瞬間、ジョコヴィッチはコートに仰向けに倒れ、万歳をするように両手を伸ばした。

6回目の夢の場面

ジョコヴィッチは試合後、「ウィンブルドンの優勝は子どものころ、私にとって常に最大の夢だった」、「あり合わせの材料でウィンブルドンのトロフィーを作っていたセルビアの7歳の少年が、ここで6回、本物のトロフィーを手にして立っているなんて信じられない。驚異的だ」と喜びを表現した。

一方、ベレッティーニは、「決勝で戦えて本当に幸せだ。これが私にとって、この大会での最後にも、グランドスラム大会での最後にもならないことを望んでいる」と話した。

ジョコヴィッチはこれで、ロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)と並び、グランドスラムのタイトル獲得数が20となった。

フェデラーはツイッターに、「ノヴァク、20回目の主要大会優勝おめでとう。テニス王者たちが活躍する特別な時代に、私もプレーできることを誇りに思う。素晴らしいパフォーマンスだった、よくやった!」と投稿した。

元イギリス男子ランキング1位のティム・ヘンマンさんは、「素晴らしい大会で、まさに勝つべき選手が勝った。ジョコヴィッチにとって、見事な大会だった。圧倒的な優勝候補として大会入りし、2週間完璧だった。最も強い選手が優勝したのは疑いない」とBBCテレビで話した。

グランドスラムで6回優勝したボリス・ベッカーさん(ドイツ)は、「試合をしてホテルで過ごすだけという難しい3週間だった。選手は回りに素晴らしい人たちが必要で、ノヴァクがチームへの感謝の気持ちを示したのは素晴らしいことだ」とBBCテレビでコメントした。