ISが犯行声明、イラン・ソレイマニ氏墓所での爆発について

フランク・ガードナー安全保障担当編集委員、デイヴィッド・グリッテンBBCニュース

3日にイラン南東部ケルマンで発生した爆発事件について、武装勢力「イスラム国(IS)」が4日、犯行声明を発表した。

爆発は、2020年にアメリカに殺害されたイラン革命防衛隊のカセム・ソレイマニ司令官の墓所近くで起きた。ソレイマニ氏の死後4周年を追悼するために集まっていた群衆を襲い、84人が死亡、多数の負傷者が出た。

死者数は当初95人とされていたが、イランの緊急サービスは4日朝にこれを下方修正した。

イランは当初、イスラエルとアメリカがこの攻撃の背後にいるはずだと主張していた。

ISは、メッセージアプリ「テレグラム」のチャンネルで犯行声明を発表。その後、運営するメディア「アマク」で、攻撃を行ったとする覆面をした男性2人の写真を公開した。

アマクによると、最初の1人が群衆の中で自爆ベルトの爆発物を起爆させ、20分後に2人目が同じように爆発を起こした。

ISは、この2人の名前を「オマル・アル・ムワッヒド」と「サイフラ・アル・ムジャヒド」だと説明。どちらも一般的な名前のため、2人がイラン人なのか外国人なのかを確認するのは難しい。

ISはここ数年、イランで民間人や治安部隊を標的とした攻撃を数々起こしている。また、イラクで長年戦っていたソレイマニ氏の暗殺を歓迎していた。

イランのエブラヒム・ライシ大統領の側近、モハンマド・ジャムシディ氏は先に、この攻撃についてイスラエルとアメリカを非難していた。だがアメリカは、イスラエルの関与を示す兆候はないと指摘。自国の関与も否定した。

また、多くの中東アナリストが、これはイスラエルがイラン国内で活動するやり方ではないと指摘している。

これまでにイスラエルの対外情報機関「モサド」が仕組んだと推測されるイランへの攻撃は、ほとんど常に、著名な核科学者や軍事関係者を正確に狙った暗殺だった。イラン国内の貴重な情報資産を、民間人の弔問客を爆破して浪費することは、イスラエルにとって得策ではないだろう。

イランの最高指導者アリ・ハメネイ師は、攻撃に対して「厳しい対抗措置」を取ると約束している。

だが、ISが犯行声明を発表し、爆破犯の名前まで公表した今となっても、イラン革命防衛隊がアメリカやイスラエルに謝罪する可能性は極めて低い。

アメリカとイスラエルに対するイラン政府の敵意はきわめて根深く、レバノンやイラク、パレスチナ自治区ガザ地区、イエメンなどといった多くの前線でも形になって表れている。

爆発があった3日には、イランが支援するパレスチナ自治区のイスラム組織ハマスの高官が、レバノンでドローン攻撃によって殺害された。イスラエルによる攻撃とみられており、地域の緊張が高まっていた。

ソレイマニ氏は長年、最高指導者に次ぐ権力を持つ人物とされてきたが、2020年1月3日にイラク・バグダッドに到着した際、米軍の空爆によって殺害された。

イラン革命防衛隊の精鋭部隊「コッズ部隊」の司令官だったソレイマニ氏は、イランのにおける地域政策の立役者だった。

コッズ部隊の極秘任務にくわえ、同盟国政府や、ヒズボラやパレスチナ自治区のハマスといった武装集団に対して指導や資金、武器、情報、後方支援の提供を担当していた。

2020年のドローン攻撃を命じたドナルド・トランプ米大統領(当時)は、ソレイマニ氏を「世界のどこでもナンバーワンのテロリスト」と評し、その部隊が過去20年間に何百人ものアメリカ市民や軍人を殺害してきたと主張した。

イラン政府はアメリカの攻撃を国際テロ行為として非難し、トランプ氏をはじめとする政府高官に対する逮捕状を発行した。