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北朝鮮、越境米兵は米軍の「虐待と差別に反感」 亡命の意志表明と
北朝鮮は16日、7月に韓国から軍事境界線を越えて北朝鮮に渡った米軍のトラヴィス・キング2等兵(23)について、軍内での「非人間的な処遇と人種差別」を理由に越境したと説明した。
キング氏は7月18日、国境地域へのツアーに参加し、厳重警備の中を走って北朝鮮に越境した。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)によると、キング氏は「米軍内での非人間的な処遇や人種差別に反感を抱き、朝鮮民主主義人民共和国に渡る決心をしたと告白した」という。
また、「不平等な米国社会に幻滅を感じ、わが国か第三国に亡命する意思を表明した」としている。
キング氏をめぐって北朝鮮側が公式コメントを出したのは今回が初めて。ただ、この主張は独自に検証できていない。
米当局は先に、同氏が故意に越境したとの見方を示していた。
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北朝鮮へ越境する前、キング氏は韓国国内で暴行の疑いで訴追され、韓国の刑務所に約2カ月収容されていた。7月10日に釈放された後、アメリカでの懲戒手続きのためにソウル近郊の仁川空港に護送されたが、飛行機には乗らず、韓国と北朝鮮の国境地域にある非武装地帯(DMZ)見学ツアーに参加したと伝えられている。
キング氏は2021年1月に入隊した偵察のスペシャリストで、ローテーションで在韓米軍の任務についていたという。
北朝鮮は、名目上いまだ共産主義体制を取る数少ない国の一つで、長い間、秘密主義を貫き孤立してきた。金正恩(キム・ジョンウン)総書記率いる現政権は、組織的な人権侵害を行っていると非難されている。
国連軍が交渉続ける
DMZは世界で最も厳重に警備されている地域の一つ。地雷が至る所に埋められ、高圧電線や有刺鉄線のフェンス、監視カメラで囲まれている。軽武装の警備隊員が24時間態勢で警戒している。
見学ツアーにキング氏と一緒に参加していた人が米CBSに語ったところでは、参加者らが境界線にある建物を訪れた際、「この男性が『ハハハ』と大声を上げ、建物の間を走って行った」という。
「最初は悪い冗談だと思ったが、彼が戻ってこなかったので、冗談ではないと気づいた。みんな騒ぎ出して、混乱状態になった」
男性が越境した際、北朝鮮の兵士の姿は見えなかったという。
「バスに乗って帰る途中、検問所の一つに到着すると(中略)誰かがこう言っているのが聞こえた。行きは43人だったけど帰りは42人だと」
キング氏の状態などをめぐり懸念が高まる中、北朝鮮当局と、DMZと共同警備区域(JSA)を管理している国連軍司令部との交渉が続いている。